教育理念・教育方針

教育目標

「自主創造」を建学の精神に掲げ、「みんなで仲良く生き生きと生活する」ことを具体的な教育目標として、幼児期にふさわしい教育活動が展開されるよう日々取り組んでいます。

幼児期の成長・発達に必要な学習は、教科ではなく経験を通じて達成されます。これは、幼児の認知能力が未発達で、画一的な教科学習を可能とする発達段階に到達していないからです。また、幼児期は人格形成の基礎を培うという点で非常に重要な時期なので、子どもたちの心や精神に重きを置いた教育が求められます。

このようなことから、本園では、知識や作法を一方的に教え込んだり、偏った技術・芸能を身につけさせるのではなく、子どもたちが興味を持って環境に関わりながら自然と学んだり身につけていけるよう導いています。

とりわけ、子どもたちが主体となって取り組める唯一の活動である「遊び」は、幼稚園生活の基本に位置づけられています。そのため、友だちや先生と意欲的に取り組みながら毎日の生活を展開させていけるよう、遊びの質の向上にも努めております。

オープンの教育環境

本園の特色であるオープンの教育環境では、保育室に仕切りを作らず、学級(クラス)を孤立させないようにしています。これによって、次のような教育効果が得られ、幼児期の発達の上で非常に大きな意味を持っています。

  1. 異年齢交流が深まるため、不特定多数の友だちや先生と遊びを展開させることができます。
    「お兄さんやお姉さんに教えてもらおう」「小さいお友達を助けてあげよう」「クラス(あるいは学年)は達うけど、みんなで仲良く一緒に遊ぼう」などといった意識が既にあるので、縦割りの教育活動を意図的に計画しなくとも、自然の遊びの中で固定化されない社会が形成されていきます。言い換えれば、子どもたちの社会性が、人種や環境に限定されることなく発揮される条件が整っているということです。

  2. コミュニケーション能力や自主性・能動性の発達を促進します。
    社会性を身につけていく上で、様々な人や環境と関わるには、それに対する積極性も求められます。「さあ、あの子と仲良くしなさい」「さあ、あちらに行ってみなさい」と言い間かせるのではなく、「仲間に入ろうかな」「行ってみようかな」と思わせる環境で過ごすことができるのも、オープンならではの教育的配慮です。

  3. 集中力が身に付きます。
    「オープンでは集中できないのでは?」と不安に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、本園では40年以上の間このような環境で保育を行っており、この施設が要因で集中力に欠けるなどといった問題が生じたことはありません。むしろ、どのような状況においても集中したり、あるいは、途中で集中が中断されても再び活動に取り組むことができる力が自然と身につくのです。